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#714 RICOH GR3  レビュー第3回 <シャーリーズ・セロンの努力>_a0113732_17153811.jpg

ひと仕事終えて東京に戻ってきているので、GR3のレビューのつづきをします。こんなくだらない文章を書いているからって、そうそう暇でもないんです。そもそも「くだらなさ」と「暇」には相関関係がありそうでありません。という寄り道は止めて、今回は星飛雄馬並みのストレートに行きます。このところちょっとバタついているので、寄り道している暇なんてないので、いきなり高速道路に乗った感がするかもしれませんが、しっかりついてきてくださいね。

手元に残っている旧GRD3と比較すると(なぜ手元に残っているか? が、じつは重要な点なので後述します。APS-Cになった初代GRは売却しています)、わずかに大きい。データで見ると横幅1.2mm、高さ2.1mm、厚み7.7mmの差があります。この差をわたしはどう感じたか? 横にならべてみると「うーん、新GRD3の方がちょっと大きいだけだな」とポジティブに視覚しますが、持って比較してみるとややネガティブにちがいを知覚します。大きさはGRの生命線なので、ここは「ちょっと残念!」と言いたいところですが、そもそもセンサーサイズが小さい頃の旧GRD3と比較すること自体がややアンフェアではあります。「すっごい、リコーの開発陣、よくぞここまでやったな!」と感激すべきかもしれません。じっさいなによりもわたしが彼らを賞賛したいのは、前モデルのGR2よりも小さくしたことなんです。手ブレ機能を組み込みつつ、筐体を小さくするというほとんど修行僧のような苦行をやってのけたリコーの開発陣に、競合メーカーの元営業マンとして心からエールを送りたいんです。大半のカメラメーカーの開発陣は「機能を増やすから、その分ちょっとだけ大きくなっても許してね」という、ユーザーサイドの常識的判断に甘えてくるものです。しかしGRのコンセプトを忘れず、そこを厳しく、まるで東洋大の酒井監督のように「その1ミリを削り出せ!」と号令をかけているらしいところに頭が下がります。たしかこの比喩は前回か前々回にも使った記憶がありますが、たしかこれもお話ししたはずですが、なにしろ記憶が不確かで、今回は書く速度を上げているので振り返る暇がありません。たぶんかなり引用しやすい言葉なんです。さすがの酒井監督ですが、青山学院の原監督にも今後、わたしが気楽に引用できる名文句を期待したいところです。あれっ、なんの話でしたっけ? そうそう大きさの話でした。ともかく前モデルから見事にシェイプアップしたGR3はただそれだけもエライ!「モデル」と「シェイプアップ」というふたつの言葉から、ついついシャーリーズ・セロンを連想してしまったのはわたしだけでしょうか(だと思う)。『Monster』につづいて『Tully』でも役柄上の理由で無理やり太ったけど、やっぱりそれからのダイエットは苦しかったようです。『Tully』はおもしろかったけど、太る必要性があったかと言うとそれは疑問です。しかしあの人いまどき、珍しく女優魂持っていて、オスカー取った後でも平気でいつでもどこでも脱ぐし、太るし、ほんと素晴らしい。そう思うのは、やっぱり美しいからでしょうか。はい、そうです。まちがいなく、美しさを差別していて、それはわたしの人生のコンセプトに外れています。で、そうそう、やっぱり痩せることが難しいのは人間の身体に限らないってことが言いたかったんです。特にシャーリーズ・セロンの隠れファンであることをカミングアウトするつもりじゃなかった。でもやっぱり歳が進んでくると、さすがの元モデルでもウエストの肉を取るのって難しくなってくるんだなっ、て『The Burning Plain』の冒頭の全裸(だったと記憶している)シーンで思いました。あの映画でもシャーリーズが裸になる必要性を感じなかったけど、今思えば、あれがジェニファー・ローレンスの出世作になったわけですよね。すみません、どうも好きな話になると急いでいることを忘れてしまって。「高速道路に乗るって言って、いきなりサービスエリアかい!」とお怒りの方、すみません、いまさらですが、お急ぎの方は最後のまとめだけ、さらっと読んでください。って、じつは次の文章ですが。
<まとめ>
サイズは90点。大きさを逆行させて、前モデルより小さくしたことは、ほんとうに素晴らしい開発努力だったと思います。ただ大きさは小さくなったけど、これまでのシリーズで最重量であることを言わないとフェアではないから10点マイナスです。


by bbbesdur | 2019-03-31 17:03 | camera

#713 RICOH GRデジタル3 「ブレるんです」返上 レビューその3 (手ブレ補正)_a0113732_20434811.jpg

富士フイルムからXF10が発売されたとき、価格の安さに思わず気持ちがぐらつきましたが、富士のコンパクトのAPS-Cカメラの前モデルであるX70から進化した点がほぼ0だったので見送りました。進化0というよりも、価格以外は改悪だったと思います。X70をスナップカメラと認識していたユーザーは多かったと思います。なによりもバリアングル・ディスプレイが良かった。それをなくしてただ薄くしたXF10はどんな購買層をターゲットにしているのかわからない、中途半端さが半端じゃないカメラになってしまいました。富士フイルムは頻繁に旧機種のファームアップをして、旧機種の機能をアップデイトする良心的なカメラメーカーだとは思いますが、顧客の声を聞いているかといえばそうでもなくて、開発者が自分たちのこだわりを押し付けているようなところがあります。これは身内だからこそわかる体質で、一刻も早く変化して欲しいと思っています。

その富士に比べると、今回のRicoh GRデジタル3は、しっかりとユーザーの声を聞いて課題をひとつひとつの解決してきたことがわかるカメラです。その改善点の最たるものが、今回搭載された手ブレ補正機能です。あの小ささでまさかとは思いましたが、噂通り手ブレ補正を組み込んできました。手ブレ補正は、わたしの目下のメイン機であるX-T3にもついていません。でも、まあそれはそれで良いんです。一眼カメラは、しっかり構えるものなので、めったに片手では撮りません。それでも微細なブレはいつだってあるから、補正はあるに越したことはないのですが、まあどうしてもというならX-H1に行けば良いので、それはいいことにしています。でも富士で言えばXF10、その前のX70、リコーでいうならGRGRデジタル2はスナップ用途で使うことも多いため、片手撮影をすることが多いはずなんです。できれば両手を使いたいけど、なかなかそうもいかない。たとえば森山大道が両手で撮ってる姿って、それっぽくないでしょ。

で、APS-Cセンサーを積んでいるこれらのコンパクトカメラは、じっさいブレます。油断すると1/60でもブレます。「換算28mm1/60でブレるなんて腕が悪いんだ」と言うあなた、試しに街中で、さっとGRをポケットから出して、片手でカシャっとやってみてください。スナップシューターのためのカメラ、というのがGRシリーズのコンセプトですが、あれはセンサーサイズをAPS-Cに変更してからは真っ赤なウソです。かなりの確率でブレます。あの小さなボディでAPS-Cだと、しっかり構えないとブレるんです。かつての富士フイルムが「写ルンです」なら、GRは「ブレるんです」と言いたい。森山大道ですら、スナップが撮りにくい時代になったと嘆くほど、街中でカメラを構えることが難しくなった今、シロートがサッと取り出して、パッと撮って、それがブレていなかったら大したものです。APS-Cになってからの初代GRは解像感は素晴らしかったけど、逆にそれだけブレも目立ちました。わたしはスナップ撮影が生命線のGRがセンサーを大きくするというまちがった路線に進んでしまったと思い、一年足らずで売却しました。それからはGRデジタル2が出ても、見向きもしませんでした。富士でもリコーでも、ともかくAPS-Cのコンパクトカメラに存在意義はないと思うようになりました。そんななかでもどうしてもサブカメラにはコンパクトカメラが必要なので、SONY RX100mk6を導入したんです。あのカメラは手振れ補正機能は付いていますが、あんまり実感できません。でも、画質が……と、ウジウジしている最中にGRデジタル3の噂が流れて、手振れ補正が付くというから驚いたんです。富士がXT-3の筐体でも入れられない機能を、センサーが同じ大きさのGRの、あのちいさな中に入れてしまうなんてありえない、と。で、現実的にその手振れ補正機能が備わったこのGRデジタル3ですが、メッチャ効きます。もう感動するくらいに効きます。いろいろ試しましたが、しっかり構えれば1/8くらいまでは頑張れます。しっかり構えず、サッと片手でやると、1/15が厳しいくらい1/15あれば街中でも十分です。いやあ、こんな小さいボディでAPS-Cでまあまあイケてる手ブレ補正付き、素晴らしいカメラだと言いたいけど、まあ欠点もあるから、それは次回以降に。

<まとめ>

手振れ補正機能95点 ほんとうにリコーの開発者は、よくぞここまで追い込んだと思います。敬服します。素晴らしい仕事です!


by bbbesdur | 2019-03-18 19:32 | camera


わたしは使わないものはどんどん売っていきます。無駄遣いであることは重々承知していますが、この浪費癖は治りそうにありません。昨年末で定年退職しました。毎月の収入がなくなったら、さすがのオレでも爪に火を灯す暮らしぶりになるだろうと期待していたのですが、案に相違して手元にはまだ退職金が残っていて、これまで以上に気持ちが大きくなっているという最悪の状況にあります。そういう自分を「空襲警報が鳴っているのに耳栓をしてホッと安心している人物」という風に感じています。楽観的な男は楽観的なまま死んでいくしかないのでしょう。バカは死ななきゃ治らないんです。
ところで初めにお断りしておきますが、浪費癖というのはつまるところ「見る目がない」ことの証明みたいなものですから、いままさに皆さんが読んでいるこのレビューは、見る目のない人物による無駄遣いの記録みたいなものです。ハッキリ言えば、いま皆さんは「見る目のないレビューワーによる新製品レビュー」を読んでいるわけです。それってレビューの価値があるでしょうか? まさしく時間の浪費だから、手早く切り上げた方が身のためです。じっさい、レビューを読んでいるはずが、前フリだけに2日も付き合わなくてはならないのですから。もしこんな暇つぶしのブログを読んでいながら「いやー、ちょっと急いでるんだけど」という方がいらっしゃれば、今すぐにこの記事の最後から8行目の<本日のまとめ>を読んでください。それが今日の記事の中で唯一価値のある情報ですから。
カメラに「所有する喜び」とか「モノとしての魅力」を感じないと言うとウソになりますが、これだけ製品開発サイクルが早いとフイルムカメラ時代の恍惚感を味わうことは困難です。その昔、カメラを買いに中野に行くと決めた前日の夜は興奮してなかなか寝つけませんでしたが、この頃の通販でポチッとやるだけの行為はまるで興奮を伴いません。電車に乗って都心までカメラを買いに行くことをしなくなってから、購買行為にドキドキ感がなくなって、ちっともセクシーでなくなりました。同時にカメラ自体もセクシーでなくなったような気がします。
大丈夫です、まだ今自分が書いているのがGRデジタル3のレビューであることは覚えています。覚えているといえば、皆さん、風呂に入っていて、自分がシャンプーしたかどうかを忘れてしまうことってありませんか? そう聞くと、いままで「そうよね、ホント最近わたしも忘れっぽくって、阪東さんだけじゃないわよ」と調子を合わせていた人物が「えっ」と引いてしまうのです。あるいは、目が覚めて起きたとき自分が誰だかわからなくなっていることってない? と聞くと、ほとんどの人が病人を見る目つきを向けてきます。でもじっさいわたしは頻繁に自分が誰だか忘れていました。あまりに頻繁に起きたので、だんだん慣れてきて(と過去形なのは最近その現象が起こらないからですが)焦らなくても絶対に思い出すからじっとこのまま寝ていればいい、と自分に言い聞かせて安心することができるようにさえなりました。池澤夏樹の『マシアスギリの失脚』という長編小説に、まったくおなじ経験をする登場人物が出てきますが、わたしにはものすごいリアリティでした。たぶん池澤夏樹も同じような経験があるのではないかと勝手に想像しています。風呂場の記憶喪失はあまりに頻繁なので、だいぶ以前にリンスインシャンプーに変えました。
「あのさー、いい加減に無駄話を止めて、レビュー初めてよ!」
昨日書いたように、買ったばかりのカメラを批評する人物の目は、確実に曇っています。だからその曇りを取るための時間稼ぎをしているのです。わたしは自分のカメラ浪費癖の長い歴史の中で、何度も成田離婚を繰り返しているんです。羽田発着の国際線も増えたので、羽田離婚と呼んでも良いと思いますが、離婚したくて結婚する人はいません。いずれにしてもカメラを買ってしばらくはアバタもエクボのハネムーン状態がつづくことが多いんです。とくにルックスが良いと、騙されやすいから注意しないといけない。
このままだと、一切具体的なレビューがないまま、第2回が終わってしまいそうなので、最後に、ひとつだけ言っておきます。
起動がメチャンコ速い! です。今もわたしの手元にある旧GR3がパワーボタンを押してカメラが撮影可能になるのが「ジー――」だとすれば、新しいGRデジタル3は「ジッ」です。「ジー」の「―」はありません。ウソのように機敏です。アブラゼミの断末魔みたく「ジッ」の一瞬芸です。これは箱を開けて、バッテリーを充電して、まず最初に経験した驚きでした。でも、起動が速ければ良いってもんじゃない。これはわたしがだいぶ以前に、センサーが小さかったGR3のレビュー#483 FujifilmX10とRicoh GRD3の比較 その1書いたことですが、スナップ目的メインのカメラであるならば、パワーボタンを押してレンズが繰り出されたら、すぐにレリーズできないと意味がありません。前のGRDⅢはたとえレンズが繰り出されても、AEが遅いために撮影可能になるまでに2、3秒のタイムラグがありました。2、3秒というのはスナップシューターにとっては永遠の時間です。スナップカメラは東洋大の酒井監督の言うように「その1秒をけずり出せ」なくてはならないのです。その点、今度のGRデジタル3は見事です。素晴らしいの一言です。APS-Cになった初代GRは購入1年以内に売ってしまったので、いまここで比較できませんが、けっしてこんなに速くはなかった。この早さはフイルムカメラ時代と遜色がないんじゃないかと思います。最近CONTAX Tシリーズがなぜか大人気だそうですが、もし手元にT3がある釧路のMさんのような方がいらっしゃれば、ちょっとやってみてください。高級コンパクトカメラの起動って「ジッ」でしたっけ? このくらいの過去は覚えてなくてもフツー、って安心してもいいですよね?

<本日のまとめ>
・起動が早い→95点 マイナス5点のうち3点は「ジッ」の「ッ」を無くす開発努力をつづけて欲しいというわがままな思いで、もう2点は「ジッ」の音にまだ改善点があると思うからです。音もほんとうにだいぶ良くなりましたが、さらに無音、もしくは「心地よい音」に近づける努力をして欲しい、という願いからです。なので、決してこのマイナス5点はネガティブなものではありません。

次回はなぜ3ヶ月前まで富士フイルムグループ社員だったわたしが同じ換算28mmのコンパクトカメラであるXF10を買わずに(社員割引さえあるのに)GRデジタル3を買ったのか、あたりの話から入る予定なので、たぶん具体的なレビューはまた一つくらいになっちゃうと思います。それでも良ければ、つづきもお付き合いください。ではまた明日(たぶん!)。

by bbbesdur | 2019-03-16 15:58 | camera


#711 RICOH GRデジタル3に関する客観性を装った自己欺瞞的レビュー_a0113732_20420041.jpg


とっても久しぶりのカメラレビューはリコーGRデジタル3の早すぎるレビューです。一般的に、人はさんざん迷った末に購入を決断した高価な買い物を悪いと思いたくないもので、買ったばかりのカメラ、まさしく今日発売されたばかりのGRデジタル3を、レビューしているわたしの目は初めから曇っていると言わざるをえません。ただわたしはGRに関して言えば、センサーサイズがAPS-Cになる前のGRとGR3、そしてセンサーが大きくなったGRを使ってきているので(このブログの古い記事でわかるように)、たとえ曇っていたとしても比較する目だけは持っていると思っています。
のっけから価格のことを言えば、この世に流通している大半の商品がそうであるように、発売されたばかりのGRデジタル3はその予想される商品ライフの中で、いま最も価格が高いのです。人生のうちで最も美しく、躍動的な時期を過ごしているような20代の女性のように、お母さんのGRデジタル2、あるいはおばあちゃんのGRデジタルⅣ、さらにはお墓に入っているフイルム時代のひいおばあちゃんGR1vのような将来が待っているとは知らずに、今を盛りに華やかな時間を生きているのです。
で、キャッシュバックもないし(ですよね?)、桜も入学式もまだだし、わたしが愛好しているフライフィッシングの本格的なシーズンには、まだひと月ほどあるし、今買わなくても良いのに、なぜわたしは買ってしまったのか? うーん、いま考えています。というように、せっかく久しぶりにやるのだから、あえて、しなくても良い質問を自分に投げかけてみる、というあまり他では書かれたことのないレビューにしようと思います。まずは、
質問 なんで予約までして、発売日に手に入れたの?
回答 うーん、過ぎ去った日々の感情は正確に思い出せませんが、来週末に予定している取材に「あったら便利かも」と思ったことは確かです。先着何名様(何名か忘れた)にブルーのレンズリングが付いていくる特典がありましたが、その販促策のインパクトは絶無ではないにしろ、きわめて軽微でした。そのリングは写真で見るかぎり「街中で目立たないGR」のコンセプトのまるで逆を行くような華美なカラーだったし、黒とメタリック・ブルーのカラーマッチングはイマイチ尖りすぎで、わたしの趣味ではなかったんです。まあ無難に赤黒コンビのレッドだったら、少しは影響したかもしれません。あとなんだっけか? あー、そうだった、肝腎なことを忘れてました。今回は手持ちのSONY RX100MK6を売却したのですが、やっぱり高値のうちに売りたかったんです。あのカメラは人気があるから売却時の値落ちはまだまだ先でしょうが、それでも徐々に下がってきていることは事実なんです。あのカメラは万能カメラです。1インチセンサーにしては良い画質ですし、なによりも35mm換算で200mmっていうのが凄い。去年イエローストーンで敢行した、3日山を登って、1日だけ釣りをして、また3日かけて降りてくるというキャンプ行に「あれば便利だろうな」と思い、1インチセンサーカメラに10万円以上を投入しました。じっさい便利でした。ともかく200mmって凄いです。グリズリーはいませんでしたが、3日めにムースの親子に出会いました。リュックを降ろさずに胸のストラップに取り付けたカメラケースから、さっとカメラを取り出して、パチリ、とやりました。撮ったときは「やっぱイエローストーンは200mmなくっちゃね!」とありがたがりましたが、帰国してディスプレイの中に出てきたのは、単にムースが写っているだけの写真でした。SONY RX100はMK1、MK3、MK6と買っては売り、買っては売ってきましたが、さすがにこれで打ち止めにします。やっぱりいくら良くても1インチセンサーは1インチセンサーです。Capture Oneで色々いじれば、もちろんそれらしい写真にはなりますが、それって、いったい誰のための加工なの? って自問したとき、何のために見栄えを良くしているのかがわからなくなってしまったんです。普段メインで使っている富士フイルムX-T3は撮って、ソフトで開いた時、わたし程度の腕でさえ、稀に「おっ!」と思う絵が出ます。もしその写真を書籍、もしくは雑誌社のONLINE連載記事に掲載するなら、当然さらに加工しますが、1インチセンサーで撮った写真は、なによりもまず自分に感動がないから難しい。で、SONY RX100MK6で撮った写真は、結局自分が見るためだけのものになってしまったんです。そのマスタベーション的な作業がバカバカしくなり、もうこのカメラは使わないだろうな、と思っていながら、なんとなく手元に置いていたところに、GRデジタル3の発売がアナウンスされたのでした。
つづきはまた近々に(たぶん明日!)。


by bbbesdur | 2019-03-15 22:20 | camera

#710 ハルサメのようなハルサイ_a0113732_20461211.jpeg

聴きに行った音楽会が素晴らしいと、帰宅の電車の中でもひっそりと幸福がつづく。車内の喧騒もあまり気にならない。一方で、イマイチ、もしくはダメダメだった場合、イヤフォンをして、アップル・ミュージックを大音量で聴いて飢餓感を癒す。お酒の世界で言えば、場所を変えて飲み直すようなものだ。今日はどうだったかというと、前半が良くて、後半が良くなかったから、自分の気持ちもどっちつかずで困る。今もどこかしら中途半端な気持ちでこれを書いている。アラベラ・シュタインバッハは素晴らしかった。彼女の弾くストラディヴァリウスは日本音楽財団の所有楽器で、彼女はあくまでも借用者(無償貸与!)であるらしいが、いちどでもあんな楽器を使ってしまったら、他の楽器には行けなくなると思う。たとえば昨年暮れに来日してバッハ無伴奏を弾いたヒラリー・ハーンのヴァイオリンと音だけを比較すると、まるで美しさがちがう。ヒラリー・ハーンのヴァイオリンはぼくの耳にはかなり無骨に響いた。音自体を美しいとは思わなかった。ただし演奏は素晴らしかった。音に色彩感はなかったけれども、バッハの透徹した音楽の美しさとヒラリーの正確無比な演奏にはそれがふさわしいと思った。演奏が終わり、会場から出ても、その夜の新宿は不思議なほど静かだった。今日はアラベラはとても良かったけれども、後半の『春の祭典』(通称ハルサイ)がモタついていた。ハルサメでぬかるんだ地面で下手なダンサーが踊っているような演奏だった。モタついた「ハルサイ」って、炭酸が抜けてまるでキックが効いてないハイボールのようなものだ。仕方ないから、家に帰ってまともなハイボールを作って飲んだら、少し幸福になった。


by bbbesdur | 2019-03-10 23:52 | around tokyo