ノースポールの生き様

　ごめん、昨日はなにもかもが暗すぎた。でも春になると毎朝東京のどこかの線路で飛び込み自殺があって電車が止まるから、朝になるとどうしても死のことをおもってしまうんだ。朝に死をおもう、というそのこと自体が、きっと東京という大都会に住む人々の病なんだ。
　知っているかい、自殺する年齢は40歳から60歳までの年齢が一番おおいって。そう、ぼくや君のことだ。おまけに飛び込み自殺には仮面鬱病といって、自分の意志とは関係なく飛び込んでしまうケースもおおいって。だからぼくや君が今日飛び込まないなんて保証はどこにもないんだ。
　ごめん、また、朝から暗くなっちゃったね。でも、今日は、すくなくとも写真だけは明るくする。太陽に向かって力強く伸びるノースポールにする。いやいや、そんなつもりはないんだ、今日死ぬ人へ捧げる花なんていう意味はないよ。結果的にそうなってしまうとしても、それはぼくの意志じゃないから誤解しないでくれ。
　ともかくいまは、今日という目立たない一日がほんとうはものすごく大切な一日であることをおもいだしてみるね。
　with GRDII 2009/3/29撮影　自宅