2009年 03月 26日
サラリーマンに花を
電車に乗ってかんがえた。電車に乗っているときには、なにをかんがえているかな、って。8時過ぎに会社を出て南北線に乗っているときは、千代田線直通小田急多摩急行に間に合うかな、っておもっていた。時計を見た。ぎりぎりのタイミングだ。乗り換えの溜池山王駅から国会議事堂駅まで走るのはいやだな、とおもった。花粉用のマスクをしているから眼鏡も曇るし、だいたい仕事帰りに走るなんてどうかしている。でもぼくは走った。直通多摩急行は空いているから、吊り革につかまることができる、とおもったからだ。飛び乗った電車はこの時期にしては暖房が効きすぎていて、眼鏡は盛大に曇った。眼鏡が曇ったまま吊り革につかまっているのは、あんまり滑稽すぎる、とおもった。だからぼくはハンカチを出して、眼鏡を拭いた。吊り革につかまるとすぐにバックから携帯電話を取り出した。ちょうどいい時間のバスがあるといいな、とおもったからだ。けれど残念なことにバスを14分待たなくてはならないタイミングだった。駅前の書店はまだ空いているだろうか、とおもった。そして、そのときふいにぼくは、電車に乗っているとき、なにをかんがえているのかな、っておもったのだ。
電車に乗っているときには、だいたいこんなことをかんがえているのだ、ということがわかって、ぼくはほとんど絶望した。
with GRDII 2009/3/25撮影 鶴川駅前