2009年 03月 18日
朝の足音
耳を澄ますと、ふいに朝の足音が聴こえてくる日がある。
今日というこの日がいい一日になるようにと願う気持ちがあるとき。 起きたばかりのこちら側のこころが白紙であるとき。そんな気持ちが行き交う人々におなじようにあって、空気が和らいでいるとき。かつては、大切な人に会えるときや前の晩に忘れられないほどの体験をしたとき、なんかに聴こえていたようにおもう。
でも朝はこちら側のそんな事情や都合なんて露ほども気にせずに、規則正しい歩調で毎日やってきては去ってゆく。低い斜光線で万物に長い影を引き、 爽やかな風を吹かせては樹木を揺らす。 鳥は美しい声で囀り、草花は朝露で輝く。そして知らないあいだに昼にバトンタッチして姿をくらます。
with GRDII 2009/3/15撮影 唐津(初掲載時から文章と写真を変更しました。GRトラックバック企画 リズム に参加しています)