2009年 03月 16日
画家コンプレックス
秋山庄太郎は生前「写真家にならなければ、画家になっていた」と公言していた、と今月号のアサヒカメラに載っている。ぼくはその記事を読んで「うーん」と唸った。彼は早稲田大学商学部を卒業後、現在の田辺製薬に入社し、太平洋戦争の終結とともに写真家の道を歩み始めた。その経歴のどこにも絵画の痕跡はない。もちろん絵が得意だった、のかもしれない。しかし画家になれるほどの実力があったかどうか。秋山のこのエピソードは、写真家における画家への普遍的なコンプレックスを物語っているようにおもえてならない。ぼくだっていってみたい、「セールスマンにならなかったら、画家になっていた」って。でもこのblogのタイトルがいくらchromaticだからといって絵を載せるわけにはいかないから、しかたなく絵画調の写真をそっと差し出してみるのです。
with GRDII 2009/3/14 唐津市