2021年 10月 14日
#748 ショパンコンクール ステージ3 進藤実優さんの応援団です!
今日からショパンコンクールの3次が始まった。昨日宣言したように、ドシロートの勝手な批評は止めて、今日から進藤実優さんの応援に回ることにする。で、早速初日の最終ステージで彼女の出番がやってきた。
・この人、曲、フレーズ、旋律によって、音色や表情が変わるところが最大の魅力だが、ことに高音域の澄み切った音が好きだ。前の演奏者と同じピアノを使っているとは信じられないほど音が違う。
・マズルカの4曲目の出だし、涙なしには聞けない。とてつもないニュアンスだ。
・この人のミスって、まさにミスタッチで、大半の場合、隣の鍵盤に触っているだけで、大きな破綻がない。指が回らないと言うことがほとんどない。
・曲を解釈していないと思う。音楽の波に乗ることだけに集中しているような、その自然さがいい。でも聞きようによってはムチャクチャ不自然(な速度)に聞こえていることも理解はできる。でもわたしは彼女はひたすら音楽をやっているだけだと思う。
・ソナタへの入り、仕切り直しの2度モーション、あれはなんだったのか? 聞こえない音楽の波に乗るタイミングを探していたのか?
・1楽章の無調っぽい混濁した音楽のなかからテーマが出てくるところの美しさったら!
・こんなこと言っても意味がないけど、ピリスのシューベルトの即興曲と音楽の方向性が似ている。無用な解釈なんてせずに、楽譜の中に音楽を探しているような演奏だ。だから音楽がいろいろな方向へ揺れる。テンポも激しく揺れる。その非ショパン的ともいえる音楽を果たしてショパンコンクールの審査員が許容するのだろうか。ウチはシューベルトコンクールじゃありませんから、とか。そこが見所だ。でもショパン嫌いをショパン好きにする音楽というものを認めないと将来はないぞ! と一応脅しておく。
・自分を救いがたいほどのロマンティストだと言ったグールドの言葉を思い出した。
・3楽章のテーマに回帰したとき、なにかを諦めた人が戻ってきたような風に聞こえた。
・4楽章の入りは完全に3楽章を受けた沈痛さで入り、スゴい緊張感だ。
・ただソナタ全曲を聴いて、この人ならこの名曲中の名曲をさらに良く弾けるはずだと思ったことは確かだ。ベストの演奏ではなかったと思う。本人としての満足度はどうなんだろう。まだもう少しいけたはずだが、あるいはその前のマズルカとロンドが素晴らしすぎたのかもしれない。
・ひとり前の演奏者、中国のHao Raoもかなり良かった。聴衆の拍手の長さは進藤さん以上だったし、なにしろ音楽に勢いがあった。なかなか熾烈な争いになってきたぞ。ねえ、審査員の皆さん、レベルが高いからファイナルに13人とか言わないよね(爆)!
・がんばれ進藤さん、心から応援している。