2018年 03月 24日
#706 セカンド・ライフはファースト・ライフ
9ヶ月後に迫ったセカンド・ライフの準備を進めながら、じゃあ、そもそもオレのファースト・ライフっていったいなんだったのか、と考えた。結局、わかったことは、じつはファーストもセカンドもショートもサードもピッチャーもキャッチャーも外野もなくて、ともかく、ぼくの人生はフライフィッシングと出会って以来、フライフィッシングを中心に廻ることになったという事実だった。恋愛や結婚もあった。でもフライフィッシングとの関係に比べれば、あまり情緒的過ぎて、ほとんど真実の上っ面を撫でているようなものだった。恋愛は恥ずかしくなるほどに性的だし、結婚は息苦しくなるほど社会的で、仕事はひたすら競争だけれども、フライフィッシングは信じられないほどにニュートラルで、ナチュラルで、いつでもどこでもぼくの脇に寄り添ってくれてきた。だからぼくの生涯の伴侶はフライフィッシングであって、それ以外は無用な付け足しのようなものだ。というようなことを、次の本でエッセイ集としてまとめようとおもっていますが、その前に、とりあえずふらい人書房第2弾『釣り人の理由』を発行しました。人生とフライフィッシングの関わり合いを六つの物語で表現してみました。フライショップでの1ヶ月間の先行販売につづいて、昨日、ふらい人書房オンライン、amazon、一般書店で正式発売しました。ことに第四話の『仕事より釣りが大事と思いたい』はセールスマンとして社会に出た主人公が、セールスマンのままサラリーマン人生を終えようとしている中で、フライフィッシングとその仲間によって救われているという、ほぼ私小説と言って良い物語で、ぼくのファースト・ライフをほぼ等身大で書いたものです。サラリーマン経験があれば共感する方も多いのではないかなって期待しています。