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#442 ANAは飛び、JALは飛ばない

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 夜半過ぎから風が強くなった。雨は降っていなかった。今回の沖縄出張は送別会やら同僚の夏休みやらビーチ・パーティやら摩文仁の丘への祈念行やらでかなり疲労して、約束していた友人との飲み会も果たせなかった。そんなことをおもいながら、夜11時ごろには眠くなってベッドに横たわった。
 朝起きたが状況は変わらなかった。ネットで確認すると沖縄本島の暴風域入りは夜になるという。だからおそらく午後は会社は休みになり、明日金曜日も休みになる。もし飛行機が飛ばなければ、一日半部屋でゆっくり身体を休めることができる。 確実に台風はちかづいている。しかし眠気まなこで窓から外を覗くかぎり、風は強いけれども、飛行機が飛べないという状況ではない。 後ろ髪を引かれるように、急いで荷造りをして、那覇空港に向かった。
 出発ロビーの案内板には羽田行「欠航」とあった。こころのなかで「バンザイ!」と叫んだ、その瞬間、その便がおなじ時刻発のJAL便であることに気づいた。すぐ下に掲示してある同時刻発のANA便は「搭乗手続き中」とあった。ぼくは案内板を恨めしげに見上げながら、意気消沈しつつ、自動発券機に向かった。
 ぼくはこれまで、なんどもおなじことを経験している。 おなじ時刻で、おなじ条件で、なぜかJALは飛ばずに、ANAは飛ぶ。 機体の安全度とパイロットの腕がANAの方が勝っている、と解釈することもできるが、おそらくふたつの航空会社に、別々の基準があって、JALの方が安全規程のバーが高いのだ。「飛んでほしい!」とおもう利用客の希望を最大限に聞こうとしているのか、営業上の都合からか、JALには負けたくない、というライバル心からか、ANAの「ともかく最後までがんばる!」という姿勢は好きだ。しかし今日にかぎっては、ムリすることなかったのに。
 東京にもどれたからにはトーゼン、明日は出社だ、仕事だ、痛勤だ。飛ばさないでいてくれたら、いまごろ那覇の宿で、明日のこともかんがえず、のんびりビールを飲みながら、読みかけの吉村昭「零式戦闘機」を読んでいたのに。
 と、ここまで書いて、昨日、ANAに勤めているYさんにメールを出したことをおもいだした。秋の釣りの件でメールして、ついでに「台風がちかづいてるけども、明日は、ぼくの乗るXXX便までは、なんとか飛ばすように会社に伝えておいてね」とお願いしたのだった。 Yさんは先輩思いの優しい男だから、きっと今朝、仲の良い運行係に電話して、「スミマセン、多少危なくてもいいから、羽田行きXXX便は飛ばしてやってください」とかなんとか頼み込んでくれたにちがいないのだ。あるいはJALは友人の希望とかは、聞いてくれないのかもしれない。じっさい、ぼくの乗った羽田便以降のANA便は全便欠航となった。
 with GRD3 2011/8 那覇空港で欠航便の変更手続きをする人の行列
by bbbesdur | 2011-08-04 21:16 | 未分類