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#415 株式会社リコー御中 GRD4に期待すること     その1 ながながしい前段

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 GRD3は発売と同時に購入したので、もうすこしで2年が経ちます。撮らなかった日はあっても、持ち歩かなかった日はないとおもいます。GRD3の前はGRD2で、その前は富士フイルムのFinePix F30で、ほぼ2年間おなじカメラを携帯しつづけていることは、機材に関して極度に浮気性のぼくとしては珍しいことです。
 たとえば一眼(レフ)カメラについていえば、この2年間で、NikonD700、D40X、D3100、D7000、Olympus E-420、E-3、E-620、Panasonic GF1を買って、もちろんそれなりにレンズも買いましたが、いま手元にあるボディはNikonD700、D3100、D7000。レンズにしたって、Nikon用にCarl Zeissも買って使ったこともありますし、Olympus用にはLeicaのレンズを買ったこともありましたが、いま手元にはNikon用のズームレンズとマクロしか残っていません。24mm 1.4というのも持っていましたが、先日手放しました。
 ぼくのカメラに関する浮気心はおもに次の列記する魔のトライアングルを行ったり来たりすることによるものです。
・優れた画質
・軽さ、小ささ
・速写性
 たったこの3点を望むだけなのに、どうしてあれほどおもい悩み、投資をするのか。それはいつかも書きましたが、幸か不幸か、ぼくたちがデジタルカメラと同時代に生きているためだとカンネンしています。
 つまり新しい発見が、新しい発見のすぐあとにあって、その直後にまた新しい発見があり、翌日にはまた「えっ!?」とおどろくような発見がある。
 たしかにぼくたちは、しのぎを削って競争しているメーカーの加熱した勢いに巻き込まれてはいますが、じつはその加熱はユーザー側の熱がメーカーに伝わった結果でもあり、いってみればユーザーはメーカーの一部でもあり、それがつまりは同時代性なのだとおもうんです。だれの責任でもなく、使用者、製作者が渾然一体となって渦中でジタバタしている図とでもいうのか。
 なかでもジタバタぶりが顕著なのが、ミラーレス一眼で、オリンパスはE-P1を発売してからというもの、E-P2、E-PL1、E-PL1s、E-PL2 と相次いで新製品を投入してきました。GRD3の発売はオリンパスE-P1の発売とおなじく2009年夏で、発売日にせいぜい半月くらいの差しかありません。なのに、E-P1の方がずっと前のような気がするのは、その後にたくさんのモデルが出てきたからでしょう。
 この鳴門海峡なみのジタバタ大渦に巻き込まれないでいるのが、GRDです。さすがに発売から2年も経てば、売れ行きも鈍っているでしょうし、価格も落ちてきている。GXRという素晴らしいカメラを投入しながらも、市場の反応はいまひとつのようですが、いかがでしょうか、当初の御社の期待レベルまでとどいていないのではないかと心配しています。ぼく自身もGXRをいつか買おうとおもってここまできましたが、富士フイルムからFinePix X100が出てからは気持ちにマッタをかけています。なにしろぼくは富士フイルムグループ社員なのですから。
 GRD2のながながしいレビューに書いたように、競合会社の製品を買うことに対してのアレルギーがなくなったのは、株式会社リコーの皆さんと個人的な、けれどもビジネスの一線を越えない、素敵な関係ができたからです。でも、できれば富士フイルムのカメラを買いたいというのが素直な気持ちでもあります。給料から自動天引きされている自社株の値だって気になるし。
 X100は猛烈に気になりますが、いまGXRとどちらかを買わなくてはならない! と強制されればGXRを買います。それはぼくが世界を見ている視界が28mmという、きわめて限定された広角に固定されてしまっているからで、かつGXR用のA12 28mm/2.5が相当に良さそうなレンズだからです。じつは一眼レフにズームレンズを装着していながらも撮影しているのはほぼ28mmであり、他の画角は好きじゃない。というか、苦手なのです(そういえば28mmに惹かれて、SIGMAのDP-1も買いましたが、あれはスナップ・カメラとは程遠い機材でした)。しかしGRD3も28mmなのに、GXRにも28mmを付けて使うとなれば、これはさすがにムダな2重投資としかおもえない。というのも一番先に出たA12 50mm/2.5 MACROがいまひとつの出来だから(やっぱり、まだまだフォーカスがダメです)、レンズ交換する気にならないだろうとおもうんです。
 これほどに28mmが好きなのは、そもそもの写真の出発点であるContax時代にDistagon28mmをつけっぱなしでいたせいだとおもいます。デジタル時代に三つ子の魂をひきづったまま、ここまできてしまっているわけです。ちょっと昔は、苦手だからこそ35mmにチャレンジして、自分の写真に新しい要素を、なんておもっていましたが、もう諦めました。素人は素人らしく写真を愉しめばいい、と開き直っています。それになによりも、ぼくにはGRD3があるのだし。
 GRD3のコンセプトが街撮り用のスナップ・カメラであることはまちがいないところでしょう。そのコンセプトの元に28mmという画角が選ばれているわけで、そこがなによりもぼくがGRDを手放せない理由なのです。28mmだからこそ、GRD3になって装備されたフルプレス・スナップというパンフォーカスを利用した機能が俄然生きてくるわけですものね。
 だからX100は買いません。画質はサンプルを見るかぎり、まさしく「この画だ!」というかんじですが、買わないで待ちます。
 なにを待つかというと、X100W(勝手な仮名)なのです。28mmを搭載して、ブラックフェイスで登場するだろうX100の28mmバージョンです。富士フイルムは、これまでクラッセなどのフィルムカメラでこの順序の画角とカラーでやってきて、ご存知のとおり、あの会社はかなり体質が古くて、急にはやり口を変えられないとおもうんです。もしぼくのような身内の予想を裏切ることができれば、それはそれで将来性もあるかもしれませんが、今回にかぎってズームなんか、いっさいかんがえずに28mm単焦点で行ってほしいと願っています。ContaxはT2は良かったけれどもTVSはいまひとつで、G1、G2時代も単焦点群は目が覚めるようなレンズでしたが、暗いズームなんて出すから個性がなくなってしまいました。
 まさか御社にかぎって、GRD開発チームにかぎって、コンセプトがブレることはないとはおもいます。GX、CXというシリーズにそれなりの役割を持たせながら、GRDでのズーム化なんてバカげたことはかんがえていらっしゃらないと信じていますが、しかし過去にたくさんのメーカーが今日明日のためのマーケティングを優先させてしまうあまりに道を誤ってきたので、ついつい心配してしまうわけです。
 つづきはまた明日書かせてください。
 with GRD3 2010/7 福島
by bbbesdur | 2011-05-07 02:33 | camera