2010年 07月 16日
#350 イエローストーン その9
旅はちいさな人生だ。始まったときから、最後の日の到来に怯えているようなところがあって、それはまるで余命を意識しながら生きているかのようだ。
旅の一瞬一瞬が輝き、人との出会いが新鮮で、目にする光景が瑞々しいのは、限りがある時間というマジックがあるからなのかもしれない。目にするもの、耳にするもの、舌で味わうもの、すべてに全身で感応する体勢が整っている。
ぼくたちは人生をやり直すことはできないが、幸いなことには、旅は繰り返すことができる。旅を短い人生とおもって、なんどもなんども愉しみ、味わい直すことができる。後悔だらけの人生の埋め合わせをするように、ぼくは明日も、来週も、来月も、来年も、旅人になるだろう。
with GF1 1.7/20mm、D700 4.5-5.6/70-300mm