2010年 03月 19日
#303 人がいる静寂
岩国に行ったら、きっと帰路は宮島に寄り道をする。宮島口に車を止めて、船で10分。宮島のなにが気に入っているのか自分でも不明だが、船に乗って島に渡ることがまずは最も重要な行為におもえる。仕事から離脱した、という感覚があるのではないか。あるいは宮島口の「うえの」で食べるあなご飯も重要な要素だし、千畳敷に寝転がったときの爽快感や、やたらとおおい外国人や、どこかしらひっそりとしてる観光客や、海の中に立つ紅い大鳥居や、車が絶無なのも、ああ、そうなのか、車が走らないから、静かなのだ。いま、そのことに気がついた。車が世に現れる前の時代、日本はきっと宮島みたいな静けさに満ちていたんだ。人がたくさんいるのに静かだなんて、なんてすてきな国だったんだ。
with GRD3 2010/3/12撮影 宮島