砂漠のナポレオン

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 異国の地に暮らす母と娘はチェリーの花を見にやってきた。娘はチェリー・フェスティバルと聞いてやや興奮してやってきたのだが、だだっぴろい丘には高い石垣があるだけで、好物のサクランボはなかった。ずいぶん前に家族三人で行ったイチゴ狩りをイメージしていたのだが。とっても楽しいおもいで。でもいまお父さんは家にはいなくて、とても暑い世界のどこかに行っている。お父さんにもサクランボを送ってあげようとおもってやってきたのに。
 with GRDII 2009/2月 沖縄 今帰仁城趾にて撮影
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# by bbbesdur | 2009-02-10 00:20 | okinawa

Flappuccino stoic

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 青年はノートを広げて勉強を始めた。書かれてあるのは英語だから、基地のなかの高校に通っているのだろう。明らかに日本人の血が混じっている。期末試験だろう。自宅でやらずにわざわざスターバックス北谷店までやってくるのは、すこしでも世界を明るくしたいから。試験が目の前に迫れば、学生はだれだって気が重くなる。やらなくちゃならない勉強の量をかんがえて暗澹とし、サボった場合の結果を想像しながら、鉄のように重いノートのページを開くのだ。テーブルに甘いハニー・オレンジ・フラペチーノがあれば、すこしは前に進める、試験の後のデートをおもうこともできる。でも君はいまは彼女には電話もメールもしない。君の将来を明るくすることができるのは、君だけだから。
 with GRDII 2009/2/5 沖縄北谷にて撮影
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# by bbbesdur | 2009-02-08 21:50 | okinawa

冬は右、夏は左

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 羽田から那覇へ向かうとき、冬ならば飛行機の座席は右側の窓際を予約するといい。すぐに横浜、横須賀と見えてきて、やがて三浦半島が窓枠いっぱいくらいのおおきさになる。遠くには雪をかぶった富士山が見えていて、もっとちかくで見たいなあ、とおもうあたりで飛行機はちゃんと右に旋回してくれる。窓の下に駿河湾が緩やかに弧を描くあたりで富士山は最接近して50mmの標準レンズでもこのくらいのおおおきさに写る。富士山の背後にあるのは南アルプス、そして遥か遠くの地平には北アルプスの山並みが見えていて、いまこのときにも穂高から槍ヶ岳を縦走している者たちがいる。
 そして飛行機は太平洋沿いに飛び、大井川、天竜川、そして渥美半島が見えてきたあたりで、陸と完全に離れて洋上へ、一路、琉球へ向かう。
 飛行機は沖縄本島に到達すると東海岸沿いを飛び、海中道路、津堅島、久高島を見て知念半島をぐるりと右旋回しながら、どんどん高度を下げてゆく。摩文仁の丘、喜屋武岬といった沖縄戦最後の激戦地がちいさく平和に見えている。糸満港上空を飛び、ちかごろ急速に開発が進んでいる埋め立て地を過ぎ、飛行機の影が波の上を揺れながらおおきくなってゆくころには正面のプロジェクターいっぱいに滑走路が見えている。こういった光景を左側の座席に座っている人たちはいっさい目にすることができない。だからといって夏に右の座席に座ると、黒い富士山と霞んだ駿河湾と海しか見えないまま、どすん、と着陸してしまう。東京、沖縄路線の基本は、冬は右、夏は左。
 with D700 Sigma 50mm 1.4 2009/2/4撮影
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# by bbbesdur | 2009-02-07 21:40 | okinawa