#8 どしゃぶりの年齢

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 六本木の中華料理店で同期入社の集まりがあった。入社以来初めてのことだ。毎日オフィスで見る男もいるし、28年ぶりに見る顔もあった。会社を辞めたMもやってきた。23年前、Mの送別会の晩、流れ流れているうちに、たまたまふたりになって新宿2丁目に行った。明け方の丸ノ内線の車内で缶ビールを飲んだ。「がんばれよ」「オマエもな」といい合って別れた。その晩以来いちども会うことのなかったMと昨日会って、流れ流れて、やっぱりなぜかふたりが残って、そして新宿2丁目に行った。どしゃぶりのなかを、さらにゴールデン街に流れた。明け方の新宿にはたくさんの人がいた。大半は若者だった。丸の内線で缶ビールを飲んでいた、あのときのぼくらのような。
 with GRDII 2009/1/31撮影
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# by bbbesdur | 2009-01-31 21:05 | around tokyo

#7 裸になった駅

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 千代田線国会議事堂前駅には直線部分がない。だから駅のどこから撮っても画面は曲線になってしまうし、いまは工事中であばら骨もあらわ。なかなかセクシーな駅なのだ。
 with GRDII 2009/1/30撮影
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# by bbbesdur | 2009-01-30 00:14 | around tokyo

#6 ダダッ娘

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 それぞれの人生にはさまざまな局面があるけれども、ぼく自身についていえば、住宅地の裏の廃道にこの手の玩具を捨てるような事態に陥ったことはない。この廃道は、朝こそ通勤者や散歩者の姿があるが、街灯がなく、過去に若者が死んでいるために夜歩く者はいない。ガードレールはその昔この道に車両が走っていた名残である。そんな廃道だからこそ、人目を忍んでやってくる者もいる。
 画面の左上に見えているのは包装紙とビニール袋、その下には「ダダッ娘」と書かれたパッケージ。その右に朝露に濡れて横たわっているのが問題の核心である。
 ぼくは捨てた人物と開けた人物は同一ではないと見た。ブツは見たところ使い古されたようには見えなかったし(使い込むとどこがどう変化するのか知らないとしても)、包装紙もぱりぱりしていて真新しかった。ぼくの推理はこうだ。
 捨てた犯人は若い女性である。フった男から送りつけられてきた腹いせの品の扱いに困ったのだ。もちろん家のゴミ箱に捨てることなんてできない。ブツを包み直した女は家族の目をごまかすためにスーパーのビニール袋に入れ、こっそりと夜更けに外に持ち出し、夜陰に乗じて捨てた。そして翌朝一番の散歩者(おそらく年配の人物)が発見して、包み紙を開き、やややっ、と慌てふためき、そのまま投げ出したのではないか。じっさい投げ出されたような配置で転がっていた。
 しかし性って、どうしてこんなに禍々しいの?
 with GRDII 2009/1/29撮影
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# by bbbesdur | 2009-01-29 00:34 | around tokyo