#5 a boy and three men

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 自分がこんな少年だったこともあるんだよね。いろいろとちがうこところもおおいかもしれないけれど、でも少年だったことはあるんだ。
 with GRDII 2009/1/27撮影
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# by bbbesdur | 2009-01-27 23:28 | around tokyo

#4 george washington

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 空母は怖い。なにが怖いかって、着艦するときが怖い、それも死ぬほど怖い、らしいのだ。知り合いのパイロット(だった大尉)がいうには、しょんべんチビらないヤツの方がどうかしている(まあ、アメリカ人はこういう表現をしちゃうことがおおいからね。ぼくのせいじゃない)。
「想像してごらんよ。君はいま太平洋の上空を1万フィートの高度で、しかも音速で飛んでる。空母がどんなおおきさに見えるとおもう?」
 ぼくはカマボコ板くらいかなあとおもったが、彼に理解できるはずはないのでやめた。
「葉っぱだ。海に浮かんだグレーの葉っぱにしか見えないんだ。でも葉っぱだったらまだ見えているからいい。もういちど想像してみてほしい。君はいま太平洋の上空を1万フィートの高さで飛んでいる。しかし君の視界には漆黒の闇しかない。わかるね、夜なんだ。1万フィートの高さで飛んでいることを目の前の高度計で知っているだけだ。やがて着艦すべき空母が下に見えてくる。そのとき空母がどんなおおきさに見えるとおもう?」
 ぼくはすこし怖くなって、黙って首を振った。
「豆電球だ。昔、プラモデルで車のヘッドライトなんかに使ったアレだ。アレが漆黒の洋上、とうか洋上らしきのっぺりとした暗い平面、に消えそうになりながら光っている。そのときいつもおもうんだ。わたしはこれで死んでしまう、って」
 彼は生唾を呑みこんで、まるでいままさに着艦体制に入ったような顔つきになった。
「着艦しようなんておもっちゃいけない。仲間内ではフレンドリー・カミカゼって呼んでいるけども、空母に体当たりするつもりじゃないと着艦できない。わたしが海軍を辞めて、ユナイテッド航空に入社した理由はね、もう抜ける髪の毛がなくなっちゃったからなんだ。夜間着艦のたびに髪の毛が抜けてね、つるつるになったとき、これはヤバいとおもった。こんどは頭の中身が抜けるとおもってね」
 彼はそういって見事に禿げ上がった頭を撫でて笑った。
 ボーイング747をオヘアからナリタまで飛ばすのは、トウキョウのハイウェイを運転するよりリスクが低いらしい。空母への夜間着艦は深夜の首都高速を200キロで飛ばすようなかんじかな、と元大尉はいう。
 ぼくは夜明けを待ちながら、ただ一機だけぐるぐると空母の周りを回っているジェット戦闘機を想像して彼の横顔を見つめた。
 with GRDII 2009/1/26撮影
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# by bbbesdur | 2009-01-26 22:49 | around tokyo

#3 週末の駅前

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 日曜日の夕暮はなにを見てもウラ悲しくなるけれども、駅前に放置された自転車なんかもそうだ。月曜日の朝を暗示しているではないか。
 with GRDII 2009/1/25撮影
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# by bbbesdur | 2009-01-25 21:52 | around tokyo