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「女流文学」という言葉はすでにして、男が主体の文学の傍流だということで、差別用語なのかもしれない。たしかそのあたりを皮肉った「男流文学」っていう分厚い本があって、昔買って読んだ記憶がある。じっさい、現実に女性でしか書けないことがあって、アリス・マンローの「イラクサ」を読んで、久しぶりに、そんな女流の恐ろしさを思い出した。別にテーマが恐ろしいわけでも、出てくる人物が怪異的であるわけでもないのだが、女流作家は登場人物に対して意地悪になれるところが男流と著しく異なる。日本の現代作家では小川洋子とか村田喜代子とかがそうで、ほんとに意地が悪いなあ、とおもって、読後感にざらついた感覚が残ることがままある。その点、男性作家って、きわめて健全かつ単純で、わかりやすい。
 と考えたところで、そもそも男は攻撃や復讐はするけれども、意地悪って、あんまりしないものだなあと思い当たった。意地悪では不十分だから、白黒はっきりさせるために攻撃するのだ。つまるところ意地悪はあくまでも関係の保たれた中でのグレーゾーンのなかにあって攻撃ではなく、女性がよく言う「男性にはデリカシーがない」というのは、つまりこのグレーゾーンのことなのか。ぼくらカメラ好きは、この明暗のゾーンをラティチュードと呼ぶんだけども、このごろのデジタルカメラは技術が進んで、フイルムカメラに比べてながらく劣勢だったラティチュードが広がり、かつ無段階になりつつある。たしかにこのごろの若い男性は女性的になってきているから、カメラのラティチュード同様、関係性のゾーンが広がってきているのかもしれない。森山大道ばりに高コントラストで白黒をはっきりつける男が少なくなってきた。かつて男を語るに「竹を割ったような」というのは褒め言葉であったのが、いまどきは、そんな野蛮な!ということなのか。
 ぼくら中高年の男性たちも関係性のグレーゾーンを広げないと時代に取り残されてしまうかもしれない。でもなあ、今さら難しそうだし、代わりといっちゃあなんだけど、とりあえず最新式のカメラでも買っておくことにしよう。
 with GR
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by bbbesdur | 2014-01-19 14:19 | around tokyo

#660 ブレるんです

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 Ricoh GRはこれまでのGRシリーズ同様、最強のスナップ・シューターを謳って登場したけれども、残念ながらキャッチ・コピーどおりとは言い難い。しっかり構えて、落ち着いて撮った集合写真や風景写真のRAWの品質はほんとうに素晴らしいが、スナップ・カメラの生命線は「さっと構えて、さっと撮れる」ことであって、最新のGRは前の機種までとは打って変わって、スナップしにくいカメラとなってしまった。
 APS-Cセンサー、しかもローパス・フィルターをなくしたことで、GRは一眼レフと同等以上の画質を得ることができた。でも、同等以上の画質を得るために「しっかり構えて、落ち着いて撮る」ことが必要となってしまったのである。これまでGRでやっていたように、突然のシャッター・チャンスに、さっと構えて片手で撮ると、まずブレる。「そもそもカメラは片手で構えるものじゃない!」という撮影の基本中の基本を守らないとならない。片手でさっと撮る森山大道を真似たくても、なかなか難しい。
 購入したばかりのころは、前のGR3とおなじ感覚で撮っていて、片手で撮った写真はほぼ全滅だった。こちらの頭の中には換算28ミリだから、そうそう簡単にはブレないという先入観があったけれども、あの小さな筐体のカメラを片手で撮ると1/60秒が楽々ブレてしまった。カメラのせいにしたかったけれども、明らかに撮影側に問題があった。いまはネックストラップをつけ、首を支点にして極力カメラがうごかないようにして撮影している。街角のスナップではシャッター速度を1/250に設定して、ISOが最高6400までオートで上がる設定にしてはいるが、いささかブレ恐怖症気味で、ついついしっかり構えて撮りたくなる。そうなるとなかなか良いスナップ・ショットって撮れないから困ってしまう。この写真のように、被写体に動きが取れない状態はいいんだけどもね。
  with GR
 
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by bbbesdur | 2014-01-18 13:41 | camera

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 Ricoh GRはⅡ、Ⅲを使ってきて、今回のGRが3代目である。購入したのは昨年の6月だったはずだから半年間使っているわけだ。店頭で見て「このサイズにAPS-Cのセンサーが入っているなんて、ちょっと信じられない! 長い間夢見ていた理想のスナップ・カメラがついに完成した!」とおもって、迷わず購入した。
 カメラとしては未完成だとおもう。ローパスフィルターを省くのが昨今のカメラメーカーの流行だ。滅多に出ないモアレに気を遣うくらいなら、解像度を上げて普段の画質を向上させた方がい、という発想らしい。
 リコーのGRもローパスフィルターレスである。RAWの精細感は抜群である。代償として、モアレの発現が著しく、しかも出方が派手である。オックスフォード地のシャツにモアレが出たのには驚いた。チェックではなく、無地のシャツなのである。生地そのものの太さ1mm以下の縦糸と横糸のパターンに出るから驚く。素晴らしいレンズのおかげで、つまりそれだけ解像しているわけなんだろうけども、無地の生地にモアレが出るのは困る。JPEGにすれば多少はマシになるけれども、今度はノイズフィルターの影響もあって精細感が薄れる。いろいろと設定をいじくり回せば、かなり良い線まで追い込めるのかもしれない。でも、ぼくは面倒だからひたすらストレートにRAWで撮っている。
 つづきはまた書くけども、GRはシューベルトの交響曲第8番である、というのがぼくの結論である。未完成だけど、素晴らしいんだ。
 with GR
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by bbbesdur | 2014-01-13 10:55 | camera

#658 狂い咲き

 
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 凍てつく朝、庭に植わっているバラが咲いていた。花が美しいと朝も美しい。眺めているこちらだけが美しくないわけだが、美しいとおもう気持ちがあるだけでいいじゃないか。
 with GR
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by bbbesdur | 2014-01-12 00:25 | flower