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 新年、明けましておめでとうございます。と書きつつ、ふいにおもったんだけど、どうして1日って夜中の12時に始まるのだろう。できれば日の出と共に始まって欲しい。なんだかこんなに暗いうちから「明けましておめでとうございます」というのも、考えてみれば妙だ。ことに元旦は「年が明ける」というくらいなのだから、なおさら日の出とともに始まって欲しい。世の中が混乱する可能性もあるから、365日とはいわない。元旦だけ、特例措置として各都道府県県庁所在地における日の出時刻をもってして、その年の始まりにして欲しいものだ。そのあたりのことについて、政権を取ったのだから、自民党はしっかり考えて欲しい。
 with E-M5 12-50/3.5-5,6 イエローストーン 2012/7(写真はクリックすると大きくなります)
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by bbbesdur | 2013-01-01 02:44 | usa

#595 まじめな日本の血

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 英語は、聞いたり、話したりしつづけないと、たちまち聞けなくなり、話せなくなる。ぼくは今現在、たまたま英語を使う営業部に属しているけれども、現実的に英語を使って仕事をする時間は1週間に数時間がいいところだ。加齢に伴い日々、英語力が落ちている昨今であり、2年前に久しぶりにアメリカに釣りに行ったとき、あまりの体たらくぶりに我ながら愕然とした。
 ソルトレイクシティ空港からイエローストーンに向かう途中、ちいさな田舎町でSUBWAYに立ち寄ったのだが、カウンターの向こうの彼女がなにを言っているのかわからなかったのだ。ファーストフードショップでは、注文の手順に一種の決まりがあって、知っていればなんてことはないのだが、知らないと混乱する。それはわかっているとしても、やはりショックだった。だからその旅からもどり次第、ぼくは英語力の低下をすこしでも防ごうと、itunesのPodcast VideoでNBC TODAYを毎日視聴することにしたのだった。
 それから2年が経って、この夏行ったイエローストーンではリアルタイムでTODAYを観ることができたのが、釣りをしている間に番組に変化があって驚かされた。
 TODAYはNBCの看板番組のひとつで、アメリカの数あるモーニングショーの中で長い間、トップの視聴率を維持してきた。ぼくがPodcastで見始めたころはマット・ラウアーとメリディス・ビエラのペアだったが、1年前にメリディスが引退し、その後釜としてアン・カーリーが抜擢された。しかしTODAYの視聴率は徐々に低下してゆき、結局ライバルABCのGOOD MORNING AMERICAに抜かれてしまった。不人気の理由が様々なゴシップとして流れ出したが、マット・ラウアーとアン・カーリーのウマが合わない、という分析が視聴者のひとりとしては最も納得できた。ふたりとも個性的ではあっても、男女ふたりが醸し出すはずの色気がなかった。だから必然的に番組の空気にくだけた雰囲気がなく、モーニングショーが求められる朝の軽やかさを演出することができないままでいた。
 だからアンが事実上クビにされたとき、ぼくは驚いたけれども、それはぼくが予想していたよりも交代がずっと早かったための驚きであって、アメリカのショー・ビジネスの厳しさを考えれば当然だともおもった。
 ぼくはアン・カーリーの真面目すぎる個性をモーニングショー向きではないな、とおもいながらも応援していた。というのも彼女は母親が日本人なのだ。戦後の駐留軍にいた父親と彼女の母親の出会いは、あの時代にはありがちなパターンだったはずだ。アンは佐世保基地にある米軍の学校KING SCHOOLに通った。ぼくがいまでも仕事でときどき訪れる学校だから、あそこに通ったのかとおもうと、どうしても親近感が湧いてくる。
 アンは東日本大震災のときもレポーターとしていち早く日本に飛んで来たが、崩壊した家屋を背景にした彼女が、NYのスタジオからの質問に答えたそのシーンが忘れられない。NYのスタジオの誰かは忘れたけれども、
「これだけ広範に被害が出て、誰もがなんとか自分だけは生き延びようとするような状況で、略奪や犯罪が起こるどころか、被災者たちが極めて冷静、かつ組織的に対処しているなんて、とても信じられない」
 といったのだが、アンは、
「いえ、わたしには不思議でもなんでもない。日本人はそういう国民なの。道徳を重んじて、ルールに従うことを美徳としているの。これが日本なのよ」
 ときっぱり言い放ったのだ。
 いつも通勤電車のなかで観る1日遅れのTODAYを、モンタナでリアルタイムで観られることは喜びだったが(それでも時差のためにNYからは2時間遅れている)、見慣れたアンの姿がなかったのはやはり寂しかった。アンの再起に期待したい。
 with E-M5 2012/7 ウエスト・イエローストーン
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by bbbesdur | 2012-09-03 22:16 | usa

#589 自然という裸

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イエローストーン国立公園内にはたくさんの夕暮れスポットがあるが、この湖のアウトレットほど美しい場所をわたしは知らない。この日は鹿がいて、ある年は巨大なムースの雄が堂々と川を渡って行き、ちょうど中程に来たところで、上空に向かって鋭く鳴いた。釣れてくる魚は美しい水玉模様に濡れていて、わたしは服を着て、道具を持っている生物であることが、とても恥ずかしいことのようにかんじたのだった。
 with E-M5 12-50mm/3.5-6.3
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by bbbesdur | 2012-08-24 22:41 | usa

#588 少女のシャボン玉

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 どうして彼女が悲しい顔をしているのかおもいだせない。おばさんからバブルマシンを買ってもらって、すこし前までご機嫌だったのに、シャボン玉がいつかは割れることに気づいて、急に悲しくなってしまったのだろうか。
 with RX100 2012/6 Montana
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by bbbesdur | 2012-08-14 00:01 | usa

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 モンタナに釣りに行って、それがひと月間の長きに及べば、帰国したときにはほとんど釣り廃人とでも呼ぶべき存在になっているのではないか、と危惧していたのだった。
 けれども成田にもどってきたときに気がついた。
――仕事も悪くない。
 まさか自分がそんな気持ちになるなんて、出発時にはおもいもしなかった。釣りが愉しくなかったわけじゃない、そんなことがあろうはずもない。じっさい釣りそれ自体についていえば、1ヵ月ではまるで足りなかった。当たり前だ。釣りの世界には、
――釣り人は二度とおなじ川辺に立つことができない。
 という名文句があって、つまりは川は毎日変わる、という事実を語っているのだが、じっさい前の日に入れ食いだった川が、翌日に釣れなくなるという事態は日常的であり、たとえ1年365日、毎日釣りをしても、なお足りないのである。 冷静に過去を振り返ってみれば、釣れない日の方がおおいのが普通だから悲観的になっても良さそうなのに、釣り人はきっと暗い過去を振り捨てて、明るい明日に向かって竿を振る。
 というような日常、つまりは毎日を楽観的に過ごすということだけど、ひと月間繰り返すとどうなるか?
 釣りをしていないときにも楽観的になるのだった。仕事中のわたしの頭のなかにも、未だモンタナの風が吹き、頭上にはモンタナの青空が広がっている。いつかはこの脳内ビッグスカイにも暗雲が忍び寄るだろうが、そんなときにも嵐のあとには必ず眩い一日が訪れると信じられるような気がする恥ずかしいほどポジティブないまのわたしなのである。
 with E-M5 12-50/3.5-6.3 On the road/Dillon to Twin Bridges Montana
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by bbbesdur | 2012-08-11 21:36 | usa

#576 失ったもの

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 高校2年生の夏、アメリカに1ヵ月間のホームステイをした。場所はワシントン州東外れのSpokaneという街だった。お世話になった家族の消息も失ってしまい、どこに滞在していたのかもわからなかったが、それでも、35年前の夏の記憶を取り戻したくて再訪した。
 夕暮れのなかでダウンタウンははかつてとほとんど変わっていないように見えた。母へのおみやげにターコイズのネックレスを買ったことを思い出したり、初めてサーティーワン・アイスを食べたときの感動や、エリック・クラプトンとサンタナのコンサート会場に充満していたマリファナの匂いをおもいだした。
 ダウンタウンからの距離と方角で滞在していたはずの街の見当はついた。たぶんぼくは間違っていなかったとおもう。しかし住宅地は広大で、しかも記憶にあるよりもはるかに規模がおおきかった。ぼくは夕暮れの住宅地を彷徨い、そしてあきらめて宿を探した。
 なによりも信じられなかったことには、ぼく自身が、このぼくの身体が、かつてこの街にいたという事実だった。35年前とおなじように街は黄昏てゆき、夜が闇を拡大してゆくように、ぼくの身体も24時間で1回転、太陽のまわりを365日で1回転して、それを35回繰り返した結果がいまの自分だというのに、ぼくはかつてこの街で起きたほとんどすべての事ごとを忘れてしまっている。だから懐かしいという感覚はなかった。それなのに泪だけは溢れてきた。失ったのは記憶ではなく、歳月そのものであることに気づいたらしい。
 with RX100/E-M5 2012/6 Spokane
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by bbbesdur | 2012-07-24 07:29 | usa

#225 夢を抱きしめる朝

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 今朝、夢を見た。ふだん、見た夢はほとんどぜんぶわすれてしまう。寝起きに見た夢も、その一瞬は覚えていても、霧が晴れるようにいつのまにかわすれてしまう。
 けれど、そんな忘却の彼方から、暖かい感触とともにふいに「おや、あいつの夢を見たのか」とおもうときがときどきあって、それは飼っていた犬が夢枕に立ったときだ。夢で見たシーンはまったく覚えていないのに、手を触れたり、抱きしめたりしたときの温もりが胸のなかにのこっていて、懐かしさにぼくは呆然としてしまう。雲の上でも元気に走っているかい、ロビ?
with F5 24-105mm/3.5-5.6  1998/7 撮影 米国
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by bbbesdur | 2009-11-06 00:16 | usa