#273 やっぱりツァイス、だったらライカ

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 銀座の歩道にはいつもどこかにフォトグラファーがいて、すれちがいざまになんとなくおたがいを意識する。ぼくは鏡で自分を見ているような気になるからとっても恥ずかしい。右手に持ったGRDを隠す。「いい写真日和ですね!」なんて声をかけてみたい気もするけど、そのままガードをくぐって有楽町側に出てしまう。するとLeica銀座店があるあたりより、ずっと気安い街になる。東京のど真ん中に未だこういった光景があることはじつは、かなり驚いていいことだ。
 ところで昨日のつづき。スナップシューターにとってGRD操作上最大の魅力は、ディスプレイ左に現れる被写界深度インジケーターの存在だ。絞り優先モードなどで絞り値を変えると当然フォーカス範囲が変わるけど、それがインジケーター・バーで視認できるのだ。被写体との距離を測って、ダイヤルをカチカチっと回して絞りを変えて、深度内に入ったところでカシャとやればいい。
 あと、これは以前にも書いたけど、GRD2からGRD3になって、大半の機能が向上して、画質も向上した。でもレンズを明るくしたからかどうかAEが遅くなった。スイッチをオンにして、ふいに現れたシャッターチャンスにカメラを構えると、真っ白い画面から露出が決定されるまでに2秒近くかかる。せっかくAFが準備万端の体制なのに、この2秒で決定的瞬間が逃げていく。
 GRD3でさえ遅いとおもっているそんなぼくが、衝動買いで中古のDP1を買って悶絶したのは、そうと知っていて買ったとしてもあんまり遅すぎるAF、AEだ。おまけにとくに夕陽の逆光なんかだと、シグマ・ユーザーに「サッポロポテト」と呼ばれる模様が現れるのだ。おいしそうでしょ。どこかのレビューにDP1は「光量のおおい順光で撮るといい写真になる」とあって、啞然とした。じっさいそうなんだけど、逆光で撮れないカメラはカメラじゃない。だからぼくはDP1はカメラではないとおもうことにした。ときどき素晴らしい写真が撮れるスナック菓子くらいにおもって、ビジネスバックのなかに入れている。
 それでライカX1なんだけど、昨日書いたようにAFが遅いらしくて、これは問題だ。ディスプレイに現れるMFのインジケーターもかなりラフだ。dpreviewにはDP2よりは速いけれども、E-P1とは比較にならない(くらい遅い)という記述がある。「DP2より速い」というのは、ほとんどネガティブな表現だとおもう。
 レビューワーによって、印象が異なるのはわかるけれども、ぼくはこのレビューの文章全体から、彼がかなり公平で信頼できる人物だとかんじた。
 DP1は中古の3万円ものを買ったから、まあいい。画質には目を見張る。スナップカメラとしては使用不能と判断したけど、手放す気にはなれない。でも20万円出してライカを手に入れ、AFが遅いからあんまり使わない、という状況は困る。とても困る。なによりも「いつかはライカ」のぼくのささやかな夢が、悪夢に変わってしまうのが困る。悲しくなって「いつかはライカ」が「やっぱりツァイス」となった勢いでもってX1を売り払い、手にした資金で、まさかZEISS IKON なんて買っちゃわないよね。でも距離を合わせて、露出を決めておけば、いつでもカシャってやれるのだから楽だろうなあー、っておもうんだよね。そんでもって時代逆行のZEISS IKONの先に待っているのが「だったらライカ」のM3やM4だったりしたらどうする?
 with GRD3 2010/1/6撮影 有楽町
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by bbbesdur | 2010-01-08 07:48 | camera