#222 目眩を防ぐ方法

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 毎年、秋になると、きっと目眩に悩まされる。ある朝、起きると世界がぐるぐると回り、それが一週間ほどつづく。ぼくの場合、気分がわるいというわけではなく、どちらかというとほとんど陶酔的な状態になる。お酒を飲み過ぎたときとよく似ている。
 4年前に病院に行ったとき、血圧のあまりの低さに若い看護師は慌てた。でもぼくは普段から血圧が異常に低いのだ。「あんまり心配しなくてもいいんだよ」といってあげると、安心したようだった。医師は、夏の疲れがでている、という。気分的にはわかるけれども、論理的には理解できないから、ぼくは医師に説明を求めた。
 医師がいうには、夏の間は暑さに対応するために身体が一種の臨戦体制にあるのだという。暑さに負けないように、汗を掻いたり、ビタミンを身体中に回したり、カロリーを燃やしたり、なにかと忙しいんだそうだ。で、秋がくると、馬車馬のように働いていた各器官が、一斉に操業をスローダウンさせる。でも、各器官ごとにやっぱりスローダウンの差があって、そのバランスが崩れるときに目眩が起こる。いちおう理屈としては成立しているから、ぼくは納得した。
 目眩にはメニエール病から、脳の血液循環の疾患によるものもあって、精密検査の必要があるのだが、ぼくは去年、今年と、目眩に襲われていないことを言い訳に検査を受けていない。去年、今年と目眩が起こらないのは、ぼくに秋がなかったからだ。
 沖縄には秋がない。10月になれば風は北から吹き始めるし、空気は乾燥してくるし、気温も下がる。それでも11月上旬に気温は普通に25度を超える。去年、今年とぼくは仕事の都合で9月、10月は沖縄にいることがおおかった。で、11月頃になってノコノコ東京にもどってくると、すでに晩秋で、朝晩はけっこう寒い。身体は「アレッ、秋はどこにいっちゃたんだい?」と気を休めるヒマもないまま、唐突な冬期対応を迫られる。ぼくは自分の身体をダマして酷使している。目眩を起こさない代わりに、生命を縮めているにちがいないのだ。
 with GRD3 2009/10/2 嘉手納
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by bbbesdur | 2009-11-01 10:47 | okinawa