#204 フライドチキン

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 手術そのものは成功だったらしい。けれどもなにか不測の事態が起きたらしく患者は危機を脱したとはいえない状態のようだった。
 こっそり彼らの話に耳を傾けていたぼくの背後でおおきな笑い声がした。そしていきなり肩を叩かれた。
「チキンを食っていかないか?」
 30代前半の白人が手術着を着て、そういうのだ。突然のことに面食らっていると、男の後につづいた男女数名が、つぎつぎと男の技術を賞賛し、彼に握手を求めた。
「いまさっき手術の技能コンテストが終わって、彼がナンバーワンだったわけ。優勝者はみんなにフライドチキンをおごるっていうのが習わしなのよ」
 目の前の深刻な光景との落差に困惑しているぼくに、若い黒人の女性は明るくそう説明してくれた。誘われるままちいさな休憩室に行くと、中央の丸テーブルにフライになった鳥の脚が山盛りになっていた。グロテスクな光景だとおもっているのは、どうやらぼくだけのようだった。
 with GRD3 2009/9/23 撮影 キャンプ・レスター米海軍病院
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by bbbesdur | 2009-09-25 23:36 | okinawa