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#618 ビートルズがまたやってきた、ヤア、ヤア、ヤア、お久しぶり!

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 iphone用に使っているSHUREのイヤフォンはケーブルが経年とともに断線し易くて(他のブランドを知らないから、あんなものかもしれないけど)、現在のは3つめだ。初めて買ったのが、2世代めのipodの時だから、ひとつあたりだいたい3年くらししか持たないことになる。朝晩の往復の通勤で週に5回しか使用しないのに、 5万円前後する商品にしてはあまりにヒドい品質だ。といっても、じつはいま使っている3つめは、アマゾンUSAが安売りをしていたときに買ったモノが1年ちょっとでイカれたので、ヨドバシカメラに相談に行って、彼らにはなんの責任もないのに代理店に取り次いでくれて、無料で交換してくれる手助けまでしてくれて……、なんてことはどうでもよくて、ぼくはただ「ABBEY ROAD」って、なんて素敵なアルバムなんだってことがいいたかっただけなんだ。
 あたりまえです。
 昨夜、帰宅の通勤電車の中でビートルズのアルバム「 ABBEY ROAD」を聴いたのです。激しく夢中になってしまい、急行に乗り換えず、各駅停車に乗ったまま最後まで聴いた。通勤電車で音漏れが気になるくらいボリュームを上げて聴いたなんて初めてのことだった。吊り革につかまりながら、リズムに合わせて動き出す足を抑え込むのが大変だった。電車を降りたとき、ぼくはかなり興奮していた。
「ビートルズ、ってスゴい!」
 あたりまえです。
 ぼくは中学1年生のときに激しくビートルズにのめり込んで、そのまま音楽が好きになって、40年間好きでありつづけて現在に至っている。 あらゆるジャンルの音楽が好きで、およそ嫌いなジャンルというものがない。けれどもあまりに広大な音楽の沃野をおもえば結果的にぼくはつまみ食いをしているに過ぎないとおもう。じっさい音楽世界にはあちこちに超オタクがいるから油断出来ない。
 5年以上前だとおもうけど、エリック・クラプトンのコンサートに行ったとき、ほとんどぼくと同世代のオジさん、オバさんでいっぱいになった武道館は静かに発熱していた。「コカイン!」と曲のラストでクラプトンが叫んだら、みんな承知で「コカイン!」って叫び返すから、オソロしかった。じつはぼくは16歳のときにモンタナとワシントンの州境のSpokaneという小さな街(今年、37年ぶりに再訪して、お世話になったホストファミリーの家を探したけれども、見つからなかった)で、たまたまクラプトンとサンタナのジョイント・コンサートを聴く機会に恵まれて、酒の席でロックの話題になると、きっと自慢するんだけども、驚くべきことにははるか昔にそんなコンサートが存在したことを知っている人物が存在するのが、ロックミュージック界なのである。
 いずれにしてもぼくの音楽はビートルズが出発点であり、そろそろ原点を振り返るべき時期にきている。そこで思い立って「ABBEY ROAD」を買う気になったのだが、というのもきっかけは、ビートルズのレコーディングに関する全記録の本が出て、先日読み終わったからだ。マーク・ルーイスン著、内田久美子訳の再版で全面的に改稿されたという。
 デビュー当時のスタジオ録音から、最後の録音まで、彼らがどんな心境でスタジオにいたのか、4人の関係はどうだったのか、リンゴの脱退騒ぎだとか、「While My Guitar Gently Weeps」でクラプトンがギターを弾くことになったいきさつとか、録音された曲についてのエピソードを中心に彼らの活動が詳細に紹介されている。
 ビートルズのLPは全部買ったけれども、「ABBEY ROAD」をいつ最後に聴いたのか思い出せない。たぶん30年近く前だとおもう。今回、CDを全部聴き直そうとおもいたち、時代順ではなくタイムマシンに乗ったように逆行しようとおもって、まず買ったのがかつて一番好きだった「ABBEY ROAD」で、またまた完全にビートルズにハマってしまったようだ。
 曲がまるで昔と違って聴こえるのはほんとうに不思議だ。たとえば昔は「Oh, Darling」とか「I Want You(She’s So Heavy)」はどちらかといえば退屈だったが、今回聴いて最も印象的だったのはこの2曲だった。リンゴの「Octopus's Garden」を軽すぎるとバカにしていたけれども、軽いんじゃなくて、じつに軽快でとっても素敵な曲なんだ、ということに気づいた。なんと人生で2度愉しめるアルバムだなんて、
「ビートルズは偉大だ!」
 あたりまえです。
「Here Comes The Sun」を聴きながら、いまはGeorgeもいないんだな、2人しか残っていないんだな、とおもいながら車両のガラス越しに暗い夜の光景を見つめると、だいぶ老いてきた男の姿が映っているのだった。
with RX100 スポーケン 2012/6
by bbbesdur | 2012-11-28 01:16 | around tokyo