人気ブログランキング | 話題のタグを見る

#537 オリンパスOM-D DAY

#537 オリンパスOM-D DAY_a0113732_051535.jpg

 bbb殿
 GTOです。今度会う時にいろいろ意見を聞かせてくれ。デジタル一眼を購入しようと考えている。予算9万未満(いろいろいらないものを販売して元手を確保する)。New機でもいいが中古でもいいとおもっている。レンズはワイド系の単眼かワイド系ズームを最初にほしい。今までアナログの一眼はペンタックスとオリンパスのOMを持っている。是非次回ご教授してくれい! 2月4日にカメラ屋巡りをしてもいいぞ!

 と同期入社のGTOからメールが来て、お昼休みに返信しようと書いていたら終わらなくなったので、ついでにここに掲載することにしました。

 GTOへ

 デジタル一眼を購入するタイミングとして、いまはほとんどベストタイミングだよ。大半のメーカーが来月9日から横浜で開催されるCP+に照準を合わせて新製品を開発してきているんだ。ぼくは自分ではいろいろなメーカーを行ったり来たりして、気持ちがコロコロ変わるくせに、他人には正しいとおもった意見を強く発言する傾向が強いから(知ってのとおり、カメラに限らず)、その分を考慮に入れて検討してくれ。
 初めての一眼カメラを選ぶときにもっとも警戒しなくてはならないのが「これを機会に写真(カメラ)を趣味にしよう」という気持ちだ。この奇妙に積極的な衝動には警戒しなくてはならない。というのも、いまの時点でのベストカメラを選ぶつもりが、知らないうちに、写真が趣味になったときを前提にしたベストカメラを 選ぶことになりがちだからだ。
 今回一眼カメラを買って、もし写真にのめり込んだら、その先どう進むかは、そのときまた考えればいいことだ。これをきっかけに写真が趣味になっても、そのときにムダにならないように、とかんがえがちだけど、のめりこむと、ムダどころか、際限のない投資を繰り返すことになるから、結果的にはおんなじだ。そもそも写真趣味なんて、いい写真の夢を追って、とてつもない無駄遣いをするためにあるようなものだからね。
 いまGTOが撮りたいのは、釣りのとき、自転車ツーリングのときの写真だから、この2つに限定してかんがえればいい。このふたつのテーマがクリアできていれば、たいがいのものは撮れるよ。ぼくは自転車に相応しいカメラについてはまるでわからないから、このテーマは自転車雑誌に記事を書いている鱒やさんに振る。「鱒や」さんのカメラとツーリングの両経験はきっと参考になる。
 で、なにはともあれ、
「ミラーレスにするか、旧来型一眼レフにするか、それが問題だ」
 これは1年前の8月のblogの記事にも書いたけど、ぼくが終始一貫して主張しつづけているのは、プロではない一般的な撮影者にとっての使用カメラの最大要件は「小型軽量」である。カメラを携行する気になることがすべての要件に優先するんだ。そもそも写真が良いか悪いかを語る前に、カメラを持っていないと写真って撮れないじゃない。ぼくの経験からいって「よーし、今日は撮るぞー!」って気合いを入れたときには、まず良い写真は撮れない。釣りをするときに、常に携行して、片っ端から撮りまくると、不思議なことにはシャッターを押したときには気づかなかったことが写っていたりするんだ。そういう写真のほうがなぜか良い写真になる。
 ところでカメラに限らず人が、モノを購入する、所有するという行為には喜びがつきまとうよね。さらに選択するという手順には喜びを倍加させる効果があって、ここでたいがい人は自分を見失っちゃうんだ。どうせなら1番良いものを選択したいと熱中するあまり、自分にとって1番良いモノを探しているはずが、いつのまにか1番良い評判、1番優れた仕様、という風にすり替わってしまう。
 話をカメラに絞ると、人は迷っているうちにその人に必要以上の性能を求めてしまう傾向が強い。もっと具体的にいうと、カメラの場合、本体もレンズも大きくて重い方が性能は良く、値段も高い。これはもうはっきりしていて、究極がプロ用機材だ。いまどきのマニアの購買力は凄くて、ドシロートがプロ用機材を買って、価格ドットコムあたりで、いろいろ余計なことをいうからややこしくなる。
 例によってながすぎる前置きはこのへんで止めて、具体的なカメラを挙げるとすれば、いま、GTOの用途でレンズ込みで9万円以下という条件なら、ぼくだったらズバリ、パナソニックLUMIX DMC-GX1にする。2ヵ月前に発売されたばかりなのに、いま価格ドットコムでみたら、すでにボディは38,000円台だ。NikonやCanonのエントリー一眼レフは買わない。最大の理由はエントリーレベルのボディに釣り合う、軽くて写りの良いレンズがないからだ。その点、パナソニックやオリンパスのフォーサーズ陣営は軽くて写りが良いレンズがたくさんある。
 あとは、現物を見てみないとわからないけど、ぼく自身は噂されているOLYMPUSのOM-Dに期待している。やっぱり釣りには防塵防滴カメラが必要だよ。画質もすでにE-P3でほとんど十分なレベルに来ているところに、新しい16Mの撮像素子を載せるらしい。液晶画面はチルトらしいし、ファインダーもあるし、アウトドア派にはピッタリのカメラになりそうだ。
 コアのOLYMPUSファンは、「ペンの後にこんどはOMかよ、まるで芸がないなあ。レトロ路線もいい加減にしろよ。草葉の陰で、米谷さんが泣いてるぞ」とブツブツ不平をいいつつ、じつはこころのなかでは、エラく興奮している。
 OLYMPUSって、いってみればアマチュアのためのカメラメーカーで、だからこそ、アマチュアのニーズをわかっているんだ。デジタルになってからはニーズはわかっていても、それを実現する技術が追いついてこなくて、苦戦してきた。
 いまデジタルカメラ世界は発展途上状態から、成熟状態に入りつつある。業界全体のレベルが上がると共に、OLYMPUSにもようやく基礎的な力がついてきて、アマチュアには十分なカメラが出来てきた。こんどのデジタルOMが第二次世界大戦の連合軍におけるノルマンディやミッドウェイのような戦局展開点になるかどうかはわからないけど、これで成功しなければ、疲弊し切ったいまのOLYMPUSの体力からいってカメラ事業は玉砕だ。今回のOMにはOLYMPUSカメラ事業の命運がかかっている。いまのところの噂では、レンズ込みで9万は厳しそうだけど、いま、この時点でGTOがすべきは、来月3日の同期会に来ること。そしてその翌週開催されるCP+までは、なにも買わずに我慢してじっと待つこと!
 with Fuji Film X10 2012/1
by bbbesdur | 2012-01-27 00:54 | camera