#407 揺れる沖縄

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 一週間前の土曜日、お昼前だったとおもうが、那覇の常宿でぼんやりしていると、微かに部屋が揺れているような気がした。
 ひと月以上つづいた余震であまりに敏感になりすぎている。まさか沖縄まで地震が追いかけてくるはずはない。そうおもいながらも、このところの習慣で、iphoneのゆれくるアプリで確認すると、石垣島震源の地震だった。
 その晩、ぼくの部屋で開いたモアイで7名の仲間に訊いたが、地震に気づいた人はひとりもいなかった。人間の感覚というのは、やはりある程度は情報と体験によって鍛えられるらしい。
 というような東京人の感慨をよそに、那覇の夜は酒精とともにあまりに平和に更けていった。赤ワイン6本、泡盛1本、ビール2ダースが、モアイ仲間の7名にとって多かったか少なかったかは微妙なところだ。美人酒豪Rエとハーフ酒豪E美とダイエット中アメリカ人ジョOの欠席がなければ、倍は飲んでいたはずだった。
 最後まで残ったのはいつものようにMだった。Mは自分でなにを話しているのかわからないほど酔っ払い、いつものように意味もなくぼくに謝りつづけた。謝りながら、さらに自分のグラスに酒を注ぎ足していた。だからぼくは彼に調子を合わせて、
「困るなあ、こんなに地震がおおくちゃ」
 とかいって、彼はまた、
「すみません、bbbさん」
 と謝るのである。
 Mが部屋を出て行ったのは、午前2時過ぎだった。いつにも増して酔っ払ったMが心配で、見送りにいっしょに外に出た。夜風はひんやりとしていた。酔いに火照った顔にはちょうど良かったが、この時期の沖縄としては想定外であった。
 タクシーに手を上げたMは、巨大地震に揺れるかのように激しくふらついていた。それでもMは行き先を伝え、運転手は頷いて車を発進させた。Mも相当鍛えられているのだとおもった。
 季節外れの北風を頬に受けながら、ぼくは部屋にもどった。
 with GRD3 2011/4 那覇
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by bbbesdur | 2011-04-24 16:09 | okinawa