#391 父の謎かけ、答えは「愛」

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 ――わかっているからわからなくて、わからないからわかっているものはなんだ?

 一昨日、息子が帰郷して、昨日、彼女を連れてきた。明日は彼女の家に行くのだという。彼の指に、彼女の指に、銀色の指輪が眩いばかりに輝いていた。
 息子よ、キミの気持ちは痛いほどよくわかる。きっと彼女を「真剣に愛している」んだね。彼女がとてもいい人物であることは認めよう。 しかし急くことはないとおもうんだ。半年も付き合っていない女性と将来を誓うなんて暴挙以外のナニモノでもない。それは彼女側にもおなじことがいえるんだけどもね。
 そもそも若い男女間の「愛」なんて、性欲の言い訳として都合づくで当てられた言葉であって、キミがおもっているほどに美しくはない。 いくら内なる欲求が激しいからって、服を脱いで、裸になって、他人に自分の性器を晒け出すなんて、スゴすぎる。晒け出すだけならまだしも、さらに、いろいろ、あれこれ、するのだ。あらためてかんがえただけで、その恥ずかしさに息を呑む。あんまりスゴすぎて、こりゃなんとかしなくっちゃマズい、というわけで、いつからか性欲は、すくなくとも社会的には「愛」という言葉のなかに封じ込められた、んじゃないだろうか、というのが父の想像だ。
 と語った途端に「オヤジ、なんにもわかっちゃいない」といい返されるにきまってる。だからいわない。キミのおじいちゃんが彼の息子にいわなかったように。男の先輩として、しっかりヤレよ、というだけにする。キミのおじいさんがそういったように。

――わかっているからわからなくて、わからないからわかっているものはなんだ?
 と、もしもぼくがスフィンクスだったら、そう謎かけしたな。そうしたら若いオイディプスはきっと答えられなくて、母親とセックスするハメにはならなかったはずだ。
 with GRD3 2011/2 浅草
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by bbbesdur | 2011-02-13 12:49 | around tokyo